開成中の算数でつるかめ算は頻出?過去問と応用問題を解説
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開成中学校の算数に向けて、つるかめ算をどこまで練習すべきでしょうか。結論からいうと、つるかめ算そのものを毎年の「頻出単元」と決めつけるのは適切ではありません。ただし、二つの数量の差から条件を整理する考え方は、開成の複合的な文章題を解くうえで役立ちます。
実際に2024年度入試の大問1(2)では、1cmあたりの重さが異なる金属棒を比較する問題が出されました。典型的な「つると亀の足の数」ではなく、長さと重さの関係をつるかめ算の発想に置き換える問題です。本記事ではこの実例を解説し、最後に開成対策の土台となるオリジナル練習問題を3題紹介します。
開成中の算数でつるかめ算は頻出なのか
実際の過去問では2024年度に応用例がある
2024年度の開成中算数・大問1(2)は、重さの等しい2本の金属棒について、長さごとの重さを比較する出題でした。左から34.5cm切り取ると切り取った部分の重さが等しくなり、それ以外の正の長さでは一致しないという条件から、長さと金属棒全体の重さを求めます。2024年度の入試問題PDFで原題を確認できます。
この問題の前半は「1cmあたり8gの部分と11gの部分を合わせて34.5cm、重さは345g」という二種類の量の整理に帰着します。つるかめ算の基本構造が、図と条件の読み取りを伴う問題へ発展した例です。
優先すべきなのは単元名ではなく「条件を整理する力」
開成中の出題分析では、図形、速さ、場合の数、数の性質、推理・論理などが主要なテーマとして挙げられています。2026年度入試でも、数と論理や立体の切断、場合の数などが中心でした。つるかめ算が毎年独立した大問として繰り返される、という根拠は確認できません。
したがって「つるかめ算だけを大量に解く」というよりも、基本を確実にした後で、題材が変わっても数量差に気づけるかを確かめることが大切です。ここから紹介する練習問題も、開成の過去問ではなく、考え方を養うために作った例題と区別してください。
2024年開成中の金属棒問題をつるかめ算で解く
条件を「1cmあたりの重さ」に整理する
原題では金属棒OとPが登場します。Oはどの部分も1cmあたり10g。Pは中央の一部分が1cmあたり11gで、その他は8gです。PはOより2cm長いものの、棒全体の重さは等しくなっています。さらに、左端から同じ長さを切り取った部分の重さが等しくなるのは、切り取る長さが34.5cmのときだけです。この「だけ」が、後半の解法に欠かせない条件です。
| 比較項目 | 金属棒O | 金属棒P |
|---|---|---|
| 1cmあたりの重さ | 全体が10g | 中央は11g、両端は8g |
| 棒全体の長さ | 短い | Oより2cm長い |
| 棒全体の重さ | 2本とも同じ | |
| 左から切り取る長さ | 34.5cmで切ると切り取った重さが等しい | |
次の図は、解答後の長さを使って描いた独自の解説用模式図です。原題の図の転載ではなく、求める途中では各長さを未知数として考えます。

「34.5cmのときだけ」が境目を決める
(ア)の計算に入る前に、切り取る長さが34.5cmのときだけ重さが等しくなる意味を確かめます。左から短く切り取った段階では、Pの8g/cmの部分はOの10g/cmより軽くなります。反対に、Oの右端まで切り取ると、Pには右端の8g/cmの部分が2cm残るため、Pの切り取った部分はOより16g軽くなります。
切り取ったPの重さからOの重さを引いた差は、Pの左端の8g/cm区間で減り、中央の11g/cm区間で増え、右端の8g/cm区間で再び減ります。重さが一致する正の長さが34.5cmの一度だけなら、その位置は差が最大になる11g/cm部分の右端に当たります。もし途中で差が正になれば、増える途中と減る途中で、重さが一致する位置が2か所できてしまうからです。
したがって、切り取ったPの34.5cmは、左端の8g/cmの部分と中央の11g/cmの部分から成り、切った先は8g/cmの部分だと分かります。この確認をしてから、つるかめ算に進みましょう。
(ア)つるかめ算で左端の長さ11.5cmを求める
最初の34.5cmを切ったとき、金属棒Oの重さは34.5×10=345gです。金属棒Pも、切り取った部分は同じ345gになります。
ここで、Pの切り取る34.5cmすべてが1cmあたり8gだったと仮定すると、重さは34.5×8=276g。実際の345gとの差は345-276=69gです。
中央の11gの部分は、8gの部分より1cmあたり3g重いので、差69gを生む長さは69÷(11-8)=23cmと分かります。したがって、最初の8gの部分、すなわち原題の★の長さは34.5-23=11.5cmです。
この計算がつるかめ算の核心です。何をすべて同じ種類だと仮定したのか、1単位あたり何g違うのか、二つを明確にすると式を再現できます。
(イ)残りの長さの差から全体の重さ425gを求める
切り取った34.5cmの重さは2本で同じ、しかも棒全体の重さも同じです。つまり残った部分の重さも同じです。上で確認したとおり、34.5cmの位置はPの11g/cmの部分が終わる境目なので、残りはPも8g/cmで計算できます。
Oの残りを8g/cmと取り違えないよう注意しましょう。Oは最後まで10g/cmです。Oの残りの長さを□cmとすると、Pの残りはOより2cm長いので(□+2)cmです。
10×□=8×(□+2)。差を整理すると、2×□=16となり、□=8cm。Oの全長は34.5+8=42.5cm、したがって金属棒1本の重さは42.5×10=425gです。
金属棒Pでも、左11.5cm、中央23cm、右10cmを用いると、11.5×8+23×11+10×8=92+253+80=425gとなり、答えが一致します。
開成対策に役立つつるかめ算の代表的な応用問題3題
以下の3題は本記事のオリジナル例題です。開成中の実際の出題問題や、過去問の出題回数を示すものではありません。まず基本の構造を理解し、題材が変わっても同じ発想が使えることを確かめましょう。
例題1:個数と合計金額から逆算する基本形
問題:1個80円の品物と1個50円の品物を合わせて35個買い、代金は2170円でした。80円の品物は何個ですか。
解説:35個すべて50円なら、35×50=1750円。実際は2170円なので420円多くなっています。80円の品物に置き換えると1個につき80-50=30円増えます。したがって420÷30=14個です。残りは21個で、14×80+21×50=2170円となります。
例題2:一定の長さの中で重さが違う応用形
問題:長さ32cmの棒は、1cmあたり8gの部分と11gの部分からなり、全体で292gです。11g/cmの部分は何cmですか。
解説:全部が8g/cmなら32×8=256g。差は292-256=36gです。1cmあたり3gの差なので36÷3=12cm。8g/cmの部分は20cmで、12×11+20×8=292gです。金属棒の過去問へ進む前に取り組みたい、数量差の練習です。
例題3:正解・不正解の得点差を利用する
問題:20問のテストで、正解は5点、不正解は2点減点されます。無解答はなく、合計58点でした。不正解は何問ですか。
解説:全部正解なら20×5=100点。実際との差は100-58=42点です。正解の1問を不正解にすると、5点を得られないだけでなく2点引かれるため、1問につき7点減ります。よって42÷7=6問が不正解。正解14問として14×5-6×2=58点を確かめます。
これらの例題で共通するのは、「一種類にそろえた場合」と「実際との差」を比べることです。個数・長さ・得点という題材の違いに惑わされず、同じ仕組みを説明できることが目標です。
開成レベルの文章題につなげる家庭学習の進め方
公式より先に、条件を二列の表で整理する
つるかめ算が苦手な子は、解法以前に「何が合計で、何が一つあたりの量か」が曖昧なことがあります。最初に種類Aと種類Bを並べ、それぞれの1個あたりの数、全体の個数、合計を表にします。例えば金属棒なら「1cmあたりの重さ」と「長さ」を分ければ、何を掛ければ重さになるのかが見えます。
仮定を言葉で説明し、最後に別の方法で検算する
「全部が安い方だったら」「全部正解だったら」と言い換える段階で、親が式を先に教えないことが大切です。子どもが仮定を説明できたら、差を一単位の違いで割ります。最後は求めた個数や長さを元の条件に戻し、合計が一致するか確認しましょう。
過去問では条件の追加に対応できるかを確認する
2024年度の開成の金属棒問題は、前半で一部分の長さを求め、後半では「棒全体の重さが等しい」「長さが2cm違う」という別の条件を利用します。基本問題が解けるだけで満足せず、前問の答えをどこに使うか、「34.5cmのときだけ」のような限定条件をどう使うか、残りの部分で何が等しいかまで説明させると、複合問題への橋渡しになります。
練習では、まず本記事の3題を自力で解き、翌日もう一度解法の理由を説明できるか確かめます。その後に2024年度の原題を解き直し、どの時点で表や図が必要になるかを振り返りましょう。ほかの頻出分野である図形や場合の数などの学習時間を削ってまで、つるかめ算だけに偏る必要はありません。
まとめ|開成中のつるかめ算は「差の発想」を応用する
開成中の算数で、つるかめ算そのものが毎年頻出すると断定することはできません。しかし2024年度の金属棒の問題のように、二種類の一単位あたりの量の差を使う考え方が役立つ実例があります。
基本の「すべて同じ種類と仮定する」「実際との差を求める」「一単位の差で割る」を確実にしたら、長さ・重さ・得点など題材を変えて解いてみましょう。開成対策では、単元名を暗記することより、初めて見る条件を自分で整理し、必要な考え方を選ぶ力が重要です。