中学受験算数の食塩水対策|基本からてんびん算まで
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中学受験算数の食塩水対策は、濃度の公式を何種類も暗記するより、「食塩の重さ」と「食塩水全体の重さ」を分けて考えることから始めるのが近道です。混ぜる、水を加える、蒸発させるといった問題も、変わる量と変わらない量を見つければ整理できます。
「基本問題は解けるのに、文章題になると式が作れない」という場合は、難しいてんびん算を急ぐ前に、割合と重さの関係に戻ってみましょう。家庭での復習順序と、典型問題の解き方を具体的に紹介します。
食塩水の対策は「3つの重さ」を区別することから
濃度は食塩水全体に対する食塩の割合
食塩水の問題に出てくるのは、主に「食塩の重さ」「水の重さ」「食塩水全体の重さ」です。食塩水全体の重さは、食塩と水の重さを合わせたもの。濃度は、その全体のうち食塩が何%含まれるかを表します。
濃度(%)=食塩の重さ÷食塩水全体の重さ×100。たとえば食塩20gと水180gを混ぜると全体は200gなので、20÷200×100=10%です。水の180gで割るのではない点を、最初に確認しましょう。
この関係から、食塩の重さ=食塩水全体の重さ×濃度÷100、食塩水全体の重さ=食塩の重さ÷(濃度÷100)とも求められます。3つを別の公式として丸暗記せず、もとになる一つの割合から考えるほうが応用しやすくなります。
「何gの何%」を先に計算できるようにする
8%の食塩水250gに含まれる食塩は、250×0.08=20gです。水の重さは250-20=230g。答えを求めたら、20÷250×100=8%と逆向きにも確かめてみましょう。
10%=0.1、5%=0.05、2.5%=0.025と、百分率を小数へ直すことも欠かせません。割合の扱いが不安な場合は、食塩水の文章題を増やすより「200gの5%」「400gの12%」など短い計算で土台を固めます。
食塩水の典型問題は「変わらない量」で見分ける
問題文に「加える」「混ぜる」「蒸発」と書かれていたら、計算の前に何が変わらないかを確かめます。次の表は、食塩がすべて溶け、こぼれたり析出したりしない通常の算数の設定を前提にしています。
| 操作 | 変わらない量・着眼点 | 濃度 |
|---|---|---|
| 水を加える | 食塩の重さは同じ | 薄くなる |
| 水を蒸発させる | 食塩の重さは同じ | 濃くなる |
| 食塩を加える | 元からあった水の重さは同じ | 濃くなる |
| 2種類を混ぜる | 食塩も食塩水全体も、それぞれの合計で考える | 濃度が異なり、両方を混ぜる場合は、その間になる |
混ぜる問題:食塩の量をそれぞれ求めて足す
例題1:4%の食塩水200gと10%の食塩水300gを混ぜたときの濃度を求めます。
4%のほうの食塩は200×0.04=8g、10%のほうは300×0.1=30g。合わせて食塩38g、食塩水全体は200+300=500gです。したがって38÷500×100=7.6%になります。

4%と10%を足して14%にしたり、混ぜる重さを考えずに単純平均して7%にしたりするのは誤りです。今回は混ぜる重さが違うので、食塩の量を合計してから濃度を求めます。答えの7.6%が4%と10%の間にあることも確認できます。なお、同じ濃度の食塩水どうしを混ぜた場合は、混合後も同じ濃度です。
水を加える問題:食塩の重さが一定
例題2:12%の食塩水200gに水を加えて8%にします。加える水は何gでしょうか。
元の食塩は200×0.12=24g。水を加えても食塩は24gのままです。食塩24gが全体の8%になる重さは、24÷0.08=300g。よって増やした水は300-200=100gです。
分からない量をいきなり式に入れる前に、「食塩24gはそのまま」と書き出すと考えやすくなります。
蒸発する問題:全体の重さだけが減る
例題3:8%の食塩水500gから水を100g蒸発させると、濃度は何%になるでしょうか。
最初の食塩は500×0.08=40g。蒸発したのは水だけなので、食塩は40gで変わりません。食塩水全体は500-100=400gとなり、40÷400×100=10%です。濃度が上がるのは、食塩が増えたからではなく、水が減ったからです。
食塩を加える問題:分子と分母の両方が増える
例題4:5%の食塩水180gに食塩10gを加えます。新しい濃度を求めましょう。
もとの食塩は180×0.05=9gです。10gを追加すると食塩は19g、食塩水全体は190gとなります。19÷190×100=10%です。食塩を加えるときは、食塩の重さだけでなく全体の重さも増えることが重要です。
食塩水の応用対策|てんびん算を使うタイミング
まずは食塩の重さによる解き方を優先する
てんびん算は便利ですが、最初から使う必要はありません。混ぜる前の食塩の量を計算できるようになってから、混合後の濃度や混ぜる重さを求める問題で利用すると、図の意味が理解しやすくなります。
たとえば4%と10%を混ぜて6%の食塩水300gを作る問題では、低い濃度の4%を多く混ぜる必要がありそうだと予想できます。そこから、てんびん図で割合を見つけます。
濃度の差と混ぜる重さの比は逆になる
4%から6%までの差は2、10%から6%までの差は4です。てんびん図では、4%の食塩水:10%の食塩水=(10-6):(6-4)=4:2=2:1となります。合計が300gなので、4%を200g、10%を100g混ぜます。

重さの比が逆になる理由は、6%を目標にすると、4%の食塩水100gには食塩が2g不足し、10%の食塩水100gには4g多く含まれるからです。不足と超過を打ち消すには、4%の食塩水の重さを10%の2倍にします。
検算すると、食塩は200×0.04+100×0.1=8+10=18g。全体300gの6%も18gで一致します。てんびん図を使ったら、最後は食塩の重さで確かめる習慣をつけましょう。
なお、てんびん図で重さの比を出すには、混ぜる2種類の濃度と目標濃度が分かり、食塩や水が途中で失われないことが前提です。混ぜた総量が分からなければ、比は求められても具体的に何gかは決まりません。
食塩水が苦手な子の間違い方と家庭での直し方
つまずきを「式の前」「式の後」に分ける
式が作れない場合は、濃度の意味や、何が変わらないかの判断が曖昧な可能性があります。一方、式ができているのに間違える場合は、%の小数変換、分数の計算、単位の書き忘れなどを点検します。原因を分けずに問題数だけ増やしても、同じ間違いを繰り返しがちです。
| 間違え方 | 確認したいこと |
|---|---|
| 水の重さで割る | 分母は「食塩水全体」と書く |
| 濃度を足す・平均する | それぞれの食塩の重さを計算する |
| 水を加えたのに食塩が増える | 変わらない食塩の量に印をつける |
| %を小数に直せない | 5%=0.05などを先に確認する |
| てんびんの比を逆にする | 低い濃度を多く混ぜるか予想して検算する |
7日間の復習例は「基本→操作→逆算」
家庭での復習は1回10~15分程度を目安にし、理解度に合わせて日数を調整します。最初の2日は濃度と食塩の量を求める計算、3日目は混合、4日目は水を加える問題、5日目は蒸発と食塩追加、6日目はてんびん算、7日目は間違えた問題の解き直しに使う方法があります。
親が最初から式を教えるより、「食塩は何gある?」「増えたのは食塩、それとも水?」「全体は何gになった?」と順に尋ねると、子どもの考えが見えます。3行だけでも「はじめの食塩」「操作後の食塩」「操作後の全体」を書く習慣が役立ちます。
自分で解けるか確認する食塩水の練習問題
基本から応用まで3問で確かめる
確認問題1:6%の食塩水300gに含まれる食塩は何gですか。
答え:300×0.06=18g。
確認問題2:10%の食塩水250gに水を何g加えると5%になりますか。
答え:食塩は250×0.1=25g。5%になる食塩水全体は25÷0.05=500gなので、500-250=250gの水を加えます。
確認問題3:4%と10%の食塩水を混ぜて6%の食塩水450gを作ります。4%の食塩水は何g必要ですか。
答え:重さの比は(10-6):(6-4)=2:1。450÷3×2=300gです。残る150gが10%の食塩水で、食塩は12+15=27g。27÷450×100=6%で検算できます。
これらを正答できても、式の意味を説明できなければ、数字を変えた問題で再確認します。逆に、図や言葉で根拠を説明できれば、計算ミスの修正に集中できます。
まとめ|食塩水対策は「食塩の量」を中心に組み立てる
中学受験算数の食塩水対策では、まず濃度=食塩の重さ÷食塩水全体の重さ×100という意味を理解し、操作ごとに何が変わらないかを見分けます。混合なら食塩と全体をそれぞれ合計し、水を加える・蒸発させるなら食塩の量を固定する。この基本ができてから逆算やてんびん算へ進めば、複雑な文章題も整理しやすくなります。