中学受験の連比とは?比のそろえ方と文章題の解き方

中学受験の連比とは?比のそろえ方と文章題の解き方

中学受験の算数で出てくる連比(れんぴ)とは、3つ以上の量の関係を「A:B:C」のように一度に表した比のことです。例えば「A:B=2:3」「B:C=4:5」が分かっているとき、共通するBをそろえれば「A:B:C=8:12:15」と表せます。

大切なのは、別々に書かれた比をそのままつなげるのではなく、同じ量に対応する比の数を先に等しくすること。この記事では、連比の意味、最小公倍数を使ったそろえ方、文章題への応用、家庭で確認したい間違いを、具体例を使って説明します。

連比とは?3つの量を一度に表す比

2つの比と連比の違い

「A:B=2:3」は、AとBの大きさの関係を表す比です。一方、「A:B:C=2:3:4」は、A・B・Cという3つの量が、それぞれ共通の1つ分を基準に2つ分・3つ分・4つ分であることを意味します。このように3つ以上の量をまとめた比を連比と呼びます。

例えば3人が持つカードの枚数が12枚、18枚、24枚なら、12:18:24をすべて6で割って2:3:4と表せます。比が表すのは枚数そのものではなく、互いの大きさの関係です。

別々の比は共通する量をそろえてつなぐ

「A:B=2:3」と「B:C=4:5」を考えます。最初の比でBは3つ分、次の比でBは4つ分と書かれていますが、どちらも同じBの量を指しています。そこでBを3と4の最小公倍数12にそろえます。

  1. A:B=2:3の両方を4倍して、8:12にする。
  2. B:C=4:5の両方を3倍して、12:15にする。
  3. 共通するBが12で一致したので、A:B:C=8:12:15とまとめる。

図1:Bの比の数を12にそろえて、A・B・Cの連比を作る手順。

元の条件に戻して確認すると、8:12=2:3、12:15=4:5となり、どちらの比も保たれています。この元の条件に戻るかを確かめる作業が、連比を正しく求められたかの検算になります。

連比の解き方|最小公倍数で同じ量をそろえる

共通する量がBならBをそろえる

例題1:A:B=4:7、B:C=5:3のとき、A:B:Cを求めます。

共通するBは7と5なので、最小公倍数35にそろえます。A:Bを5倍すると20:35、B:Cを7倍すると35:21です。したがってA:B:C=20:35:21になります。

比の両方の数を同じ倍率で変えなければ、もとの関係が崩れます。Bだけを7から35に変える、という操作はできません。

共通する量がAならAをそろえる

例題2:A:B=3:2、A:C=4:7のとき、A:B:Cを求めます。

今回は両方に現れる量がAです。Aの3と4を最小公倍数12にそろえ、A:B=12:8、A:C=12:21と直します。よってA:B:C=12:8:21です。

共通する量は、必ず真ん中のBとは限りません。「同じものがどの位置に書かれているか」を見てから倍率を決めると、数の取り違えを防げます。

並び順が違うときは名前を先に整理する

例えばA:B=2:3、C:B=5:6なら、二つ目をB:C=6:5と書き直せます。Bの3と6を6にそろえると、A:B=4:6、B:C=6:5なので、A:B:C=4:6:5です。

順番を変えるだけなら、対応する数字の順番も同時に入れ替えます。C:B=5:6をB:C=5:6と読むのは誤りです。

連比の文章題|合計・差から実際の数を求める

合計が分かるときは比の数を足す

例題3:A、B、Cの3人が持つカードの枚数について、A:B=3:4、B:C=6:5です。3人で合計155枚持つとき、それぞれ何枚でしょうか。

最初に連比を作ります。Bの4と6を12にそろえると、A:B:C=9:12:10です。3人の合計は9+12+10=31個分。155÷31=5(枚)が比の1つ分です。

人 比の数 枚数
A 9 9×5=45枚
B 12 12×5=60枚
C 10 10×5=50枚

答えはAが45枚、Bが60枚、Cが50枚。合計が155枚で、45:60=3:4、60:50=6:5となることまで確かめます。

2つの量の差が分かるときは比の数を引く

例題4:A:B=2:3、B:C=4:5で、CはAより21個多いとします。A、B、Cはいくつでしょうか。

連比は8:12:15です。CとAの差は、15-8=7個分。実際の差が21個なので、21÷7=3が1つ分です。よってA=24個、B=36個、C=45個となります。

合計なら比の数を足し、差なら該当する2つの比の数を引きます。問題文に出てくる「全体」「AとBだけの合計」「CとAの差」が、それぞれ比のどの部分に対応するかを確認することが大切です。

一部の合計だけが分かっている場合

例題5:A:B:C=4:6:5で、AとBの合計が50個ならCはいくつでしょうか。

AとBは4+6=10個分なので、1つ分は50÷10=5個です。Cは5個分だから、5×5=25個になります。3人全員の合計が50個なのではない点に注意します。

連比でよくある4つの間違い

間違い なぜ違うか・直し方
2:3と4:5を2:3:5とつなぐ 同じBを3と4のまま扱っている。Bを12にそろえ、8:12:15とする。
Bだけ3から12に変える 比の片方だけを変えるとAとBの関係が崩れる。2:3は両方4倍して8:12にする。
Bを二度足して合計を求める 共通するBをそろえた後の連比8:12:15なら、全体は8+12+15=35個分。そろえる前の二つの比をそのまま足さない。
違う時点のBを同じ量として扱う 途中でBが増減しているなら、そのままそろえられない。変化前後の条件を整理する。

さらに、人数の比と金額の比など、異なる種類の量を混ぜていないかも確認してください。連比を作るには、共通の文字が同じ意味・同じ時点の同じ量を指している必要があります。

家庭学習で連比を定着させる確認問題

答えを急がず3段階で説明してもらう

連比の学習では、途中式の書き方を固定するとつまずきに気づきやすくなります。家庭では、①共通する量に印を付ける、②最小公倍数とそれぞれの倍率を書く、③元の二つの比に戻るか確かめる、という順序を確認してみてください。

「どうして12にしたの?」と尋ねて、「3と4の両方で割り切れるから」と説明できれば、単に数字の動かし方を覚えている段階から一歩進めています。最小公倍数が苦手なら、連比の問題数を増やす前に倍数の学習を短時間復習する方法もあります。

練習問題3問と答え

  1. 基礎:A:B=3:4、B:C=2:5のとき、A:B:Cを求めましょう。

    答え:3:4:10。Bを4にそろえ、B:C=4:10とします。

  2. 並び替え:A:B=4:3、A:C=2:5のとき、A:B:Cを求めましょう。

    答え:4:3:10。Aを4にそろえ、A:C=4:10とします。

  3. 文章題:A:B=2:5、B:C=3:4で、A・B・Cの合計は164個です。それぞれ何個でしょうか。

    答え:Aが24個、Bが60個、Cが80個。連比は6:15:20、合計41個分なので1つ分は4個です。

1問ごとに答えだけを採点するのではなく、どの数をそろえたか、どの倍率を使ったかまで確かめます。3問すべてを一度に解かせる必要はなく、苦手な形式だけを翌日の復習に回しても構いません。

まとめ|連比は共通する量をそろえることが出発点

中学受験の連比では、A:BとB:Cのような二つの比を、共通する量の数をそろえて一つの比にまとめます。その際は最小公倍数を使い、比の両方の数に同じ倍率をかけることが基本です。

連比ができたら、合計・差・一部の合計が、比の何個分に当たるかを考えます。家庭学習では「共通する量を見つける」「倍率をそろえる」「元の条件に戻して検算する」の3点を習慣にすると、文章題でも考える順番が明確になります。

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