中学受験の立体切断・難問対策|断面の決め方と体積の解き方

中学受験の立体切断・難問対策|断面の決め方と体積の解き方

立体の切断の難問は、切り口の形を頭の中だけで想像しようとすると難しくなります。まず「切断平面と立方体の同じ面上にある交点を結ぶ」「平行な2面上にできる交線は平行」という基本を使い、断面の頂点を一つずつ確定することが重要です。体積を問われる場合も、切断面が決まってから計算に進みます。

立体の切断が難しくなる3つの理由

見えていない面にも線が続く

立方体の図では、奥側や底面の辺が点線で表されることがあります。切断面は見えている面だけで終わらず、立体の内部を通る一枚の平面です。表面に現れた線をすべて結んで、閉じた多角形になるか確かめましょう。

切り口の頂点が辺の途中にできる

断面の頂点は必ずしも立方体の頂点ではありません。切断面が辺と交わる場所が新たな頂点になります。「どの辺と交わるか」と「その辺のどこか」を分けて考えると整理できます。

作図と体積計算を同時に進めてしまう

難問では断面の形を決める作業と、切り取られた立体の体積を求める作業を分離しましょう。断面が三角形でも、切り取られる立体が必ず三角すいになるわけではありません。

切断面の作図で使う基本ルール

同じ面にある2点は直線で結べる

切断面と立方体の一つの面が交わる部分は線分になります。その面の辺上に切断平面との交点が2つ分かれば、その2点を線分で結びます。単に「同じ面にある」というだけで、切断平面上にない点まで結んではいけません。

向かい合う平行な面では交線も平行

立方体の上面と下面、前面と背面などはそれぞれ平行です。同じ切断平面が両方と交わる場合、その交線は平行になります。片方の面で線の方向が分かれば、反対側の面で次の交点を探す手掛かりになります。

切断面は一つの平面である

複数の線を好きな向きにつなぐのではなく、すべてが一つの平面上にある必要があります。途中で線の向きが矛盾したら、最初に置いた点や平行関係を見直します。

難問の手前で確認したい例題:3辺の中点を通る切断

問題と断面の形

一辺6cmの立方体ABCD-EFGHを考えます。上面をABCD、下面をEFGHとし、AE、BF、CG、DHを縦の辺とします。頂点Aから出る3辺AB、AD、AEの中点をそれぞれP、Q、Rとします。P、Q、Rを通る平面で頂点A側を切り落とすとき、切り口の形と切り落とした部分の体積を求めましょう。

図1:AB・AD・AEの中点P・Q・Rを結ぶ切断面。図の線分は模式的に表しています。

PとQは上面ABCD上にあるので結べます。PとRは面ABFE上、QとRは面ADHE上にあるので、それぞれ結べます。したがって切り口は三角形PQRです。これはAから出る3辺を横切る基本的な切断で、より複雑な問題を考える際の土台になります。

体積を計算する

AP=AQ=AR=3cmです。切り落とされる部分は、互いに直交する3辺AP、AQ、ARをもつ三角すいA-PQRです。底面を三角形APQとすると、面積は3×3÷2=4.5cm²、高さはAR=3cmです。よって体積は4.5×3÷3=4.5cm³です。

立方体全体の体積は6×6×6=216cm³なので、残る部分は216−4.5=211.5cm³です。三角すいの体積公式「底面積×高さ÷3」を使う際は、高さが底面に垂直であることを確認してください。

発展例:6辺の中点を通る六角形の切断

六角形の6つの頂点を順に確かめる

次は、一辺6cmの同じ立方体で、辺EF、BF、BC、CD、DH、EHの中点を通る平面を考えます。6つの中点は一つの平面上にあり、隣り合う中点を順につなぐと、切り口は六角形になります。

図2:辺EF、BF、BC、CD、DH、EHの中点を通る六角形の断面。①~⑥は各辺の中点を表します。

例えばEFとBFの中点は面ABFE上にあるため、この2点を結べます。同様に、BFとBCは面BCGF、BCとCDは上面ABCD、CDとDHは面CDHG、DHとEHは面ADHE、EHとEFは下面EFGH上にあります。したがって6本の線分が一続きの六角形を作ります。

断面が正六角形になる理由

隣り合う交点を結ぶ線分は、いずれも一辺3cmの直角二等辺三角形の斜辺に当たります。したがって六角形の6辺はすべて同じ長さ3√2cmです。ただし、辺の長さがすべて等しいだけでは正六角形とは断定できません。この例では、立方体の3方向を入れ替えても切断面の位置関係が変わらない対称性から、内角もすべて120度となり、正六角形になります。

切断後の体積はなぜ半分になるのか

この切断平面は立方体の中心を通ります。中心について点対称な位置にある2つの部分が対応するため、切断後の両側の体積は等しくなります。一辺6cmの立方体の体積は216cm³なので、それぞれ108cm³です。

この例の大切な点は、六角形の面積を求めなくても立体の対称性から体積を判断できることです。ただし、立方体の中心を通らない切断面では、体積が半分になるとは限りません。

難問に進むための考え方と練習手順

断面が四角形・五角形・六角形になる場合

切断面が立方体の何本の辺と交わるかによって、断面の辺の数が変わります。例えば切断平面が上面と下面の両方に交わる場合は、側面にも線が続くため、各面の交点を追っていく必要があります。最初から「六角形になるはず」と決めず、各面で交点を確認してください。

体積は分割か差し引きで考える

切り落とした側が三角すいや角柱に分けられるなら、それぞれの体積を足します。残った側を直接求めにくいときは、元の立体の体積から切り落とした部分を引きます。ただし、切断後の形を確かめずに三角すいの公式を当てはめるのは危険です。

家庭での15分練習

最初の5分は立方体の図に交点だけを書き込み、次の5分は同じ面の交点を結んで断面を完成させます。最後の5分で、断面が閉じているか、平行な面の交線が平行かを確認します。体積計算は作図が安定してから別に練習すると、間違いの原因を見つけやすくなります。

まとめ:難問でも交点を一つずつ確定する

立体の切断は、見た目の複雑さよりも平面と辺の関係を正しく追えるかが重要です。切断平面上にある同じ面の2点を結ぶこと、平行な面の交線を利用すること、断面を完成させてから体積を求めること。この順序を守り、六角形の例のように対称性も確認すれば、難問でも検討すべき条件が整理されます。

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